日本武徳院 映像 稽古週報 黒澤雄太 異論外聞 映画
篠笛奏者 村山二朗
text. 黒澤雄太
 
二朗さんは、篠笛吹きである。
篠笛とは、竹を適当な長さに切って、穴をあけただけの、実に原始的に単純な楽器で、それゆえに奥が深い。 ソロの他に、「レブン・カムイ」という自分のバンドでも活動しているが、バンドの音は、ロックやレゲエなどのイディオムで、そこに篠笛の旋律がはいる。日本文化に根差した旋律を他国のものにミクスチャーするという手法は、時代や音楽のジャンルが違っても、須賀田礒太郎の手法に共通するものがある。まして須賀田のつくった旋律には、祭囃子などの篠笛の旋律に根差したものが大元にあると思うので、二朗さんには是非聴いてもらいたかった。 篠笛のかなでる音は、たえずゆらいでいて、一所に留まることのない音だが、それを吹く二朗さんは実に真面目な男である。
それは、基本的には酔っても変わらず、酔っぱらいの戯言に真面目に反論するところなどは、見ていて実に微笑ましい。
しかし、基本を踏みはずすと、とたんに壊れてしまうようで、普段真面目な男が、酒によってブッ壊れていくさまは、ほんの少ししか酒の飲めない私としては、酔うということが、どういうことだかわからないので、酒の魔力を思い知らされ、恐くもあり、また羨ましくもある。 このように、たまに踏みはずすことはあるが、基本的にはゆるがない真面目な男と、たえずゆらぐ音を奏でる篠笛とのコンビネーションは抜群で、良い加減にバランスがとれている。
そのバランスの絶妙さこそが、村山二朗の篠笛の最大の魅力なのだ。
Back
 
▼TOPへ戻る過去の更新履歴サイト案内武徳院通信問い合わせ▲先頭へ戻る
Copyright©2000-2008 Nihon Butokuin All rights reserved.